長しえの、愛情 二絆
2024/05/05
連休の後半からは体力勝負となります。【表年】の【筍】もいよいよ【深根】になり、深い部分で根が交わっていると、いくら型の良い【筍】でも途中で切断しなければなりません。気を張って一本に時を掛け掘っても、何本もそのようなことが繰り返さられれば身体が追い付かなくなります。
【筍】は出ている【穂先】が白色もしくは黄色が鮮度が高く柔らかいとされています。型の良質なものを【贈り物】にと、父も母も懸命に尽くして掘り続けます。そうして贈られた残りの一片が我が家の元にやって来るのです。
息を弾ませながら祖母が自家用車を押して帰ってきます。【野蕗】と【かたは】を採って来てくれました。母が早速「祖母ちゃん見て、筍このくらいで大丈夫かな、」と祖母に尋ね、「よう採れた」と祖母もほっと落ち着いた様子です。
3本で約5kgの型の良好な【筍】を母は紙で包みます。紙箱に【筍】を、そして採りたての【山の幸】を添えます。今年はこれで【筍】の【贈り物】は二回目となりました。
会う事が叶わなかった時世が少しずつ終わりを迎え、顔を合わせられる時期になましたが、【贈り物】での繋がりは途絶えることはないでしょう。
父も母も「兄弟に」、祖母は「息子に」といつまでも変わらぬ慈愛に満ちた面持ちで【贈り物】を考え整えます。いつのまにか【筍】と【蕨】【野蕗】【かたは】に祖母手作りの【豆の甘煮】と今回も盛り沢山になりました。
箱にぎゅうぎゅうと詰まった家族の想いも一緒に届きますように。