価値と事情
2020/12/23
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近くにある≪珈琲専門店≫へ行きました。
近くとはいえ車で20分かかるので、頻繁にはいけませんが、週末には、≪電動ミル≫で挽きたての珈琲を飲んでいるので、≪珈琲豆≫の買い足しへ赴きました。
久しぶりの外出です。≪緊張緩和薬≫を服薬し、薬を手に握りしめ、準備万端です。目的地までの間≪珈琲時間≫について話し合います。
もともと≪裏庭茶会≫と称した、家の裏庭で朝、珈琲をする時間でしたが、天候悪化や季節が巡り、冷え込みや時間帯も暗い日が続くので、秋冬は、≪裏庭茶会≫を行っていませんでした。
母の理想は秋も、たくさん着込んで≪外で珈琲を愉しむこと≫でした。春とはまた違い、秋ならではの気候や花、紅葉を望んでいました。
「やっぱり寒い時期は難しいね」「早春の≪寒い時期から暖かくなる≫のと、早秋の≪暖かさから冷え込む≫のは、同様の気温やと思ってたけど、想像したより秋の早朝は暗くて寒かったわ」
「また、春になるまで≪珈琲時間≫は家の中やね」「もうちょっと、工夫したら秋でもできると思っとるんやけどなぁ」
難しいことでも、≪外で珈琲を飲むこと≫をあきらめない母です。私は11月初旬と中旬に紅葉を見に赴いた時のことを思い出しながら。
「外で飲む珈琲はなんか違うよね、いつも飲んでいた珈琲もひと味違っとったし」「粉の珈琲でもそうなら、今日買いに行く≪珈琲豆≫だったらどう違うやろ」
など珈琲豆への期待は高まります。
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店舗に入った途端、濃い珈琲の香に包まれます。香ばしく豊かな香に心地よさを感じながら、ずらりとならんだ、硝子の瓶に入っている≪珈琲豆≫を眺めます。
これだけの珈琲豆の種類を見るとやはり圧巻です。
珈琲愛好は以前からですが自ら珈琲を淹れていると、道具や珈琲豆の種類も気になってきました。
こちらの専門店の珈琲豆について書かれている冊子を見ながら、≪苦み≫≪酸味≫≪コク≫≪香り≫などの表を見比べます。家族は皆、≪酸味≫があまりなく≪苦み≫≪コク≫が強めのものが好みなので、大体いつも決まってしまいます。
≪酸味≫の風合いは苦手ではないのですが、単純に苦くて濃い珈琲がこっくりと好ましいのです。
店員さんに説明してもらいながら「専門店自家製の珈琲も良いな、」といろいろ欲しくなってしまいます。母と相談しながら、コクと苦みの強い珈琲と自家製の珈琲を100gずつ選びました。
そして、もうひとつ望みました。こちらは新しい試みなので、店員さんに使い方を説明してもらいます。またひとつ≪珈琲時間≫の愉しみが増えそうです。
入ってきたときに感じた香はもうすっかり身体に馴染んでしまいました。ずっとここに居たいと思うくらい、香りで癒させて頂きました。
「毎朝、この香りに包まれたいなぁ」と思いながらも、「珈琲貯金が足りなくなるなぁ、」と心の中でひっそりと苦笑しました。
≪珈琲時間≫を毎朝続けていきたいのですが、珈琲豆は1人10g必要で、≪専門店の珈琲豆≫を家族分、ずっと続けるのは難しく思えます。
愉しむにはこころの余裕と先立つものが不可欠なのです。
日日の暮らしの歩を進めるために。
自身にとっての≪衣食住の在り方≫を模索し続けます。