雪の下、春の香 一滴
2023/03/04
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少し前、父の知人の方から、我が家では食したことのない≪日向夏≫の自然交雑実生(種から育つ事)から選抜育成された品種、柑橘の≪はるか≫を頂きました。
蜜柑のような形の檸檬のような色味でころんとして可愛らしく、暫く鑑賞していましたが、祖母は珍しい柑橘が気になるようで、「まだ、食べんのか、」との言を数回。
やっと皆の心が一致し、初物を食すことに、ごつごつした表皮は思ったより薄く、薄皮はしっかりと、風味は檸檬の色味に反して、柔らかく甘みがあり、食すたびに爽やかな香りがしました。「おいしいね」と口に頬張りながら、我が家に春の訪れを感じさせてくれた方に感謝します。
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父が「山見てくる」と言い、赴いた先で採ってきたのが原木に菌を埋め込んだ自然無農薬栽培の≪椎茸≫です。2月の末始めはまだ雪が残り、なかなか赴けなかった山すそですが、父は何回か赴き、雪が融け≪椎茸≫が育った頃合いを見計らって採りに出掛けたのでしょう。
父が≪椎茸≫を待ち望んでいたのは、料理に使用したかったとのことでした。料理好きの父はその為に何度も山すそへ足を運んで早く出会いたかったのです。
冬の間、雪の下になっていた原木から栄養を蓄え、大きく生った採れたての≪椎茸≫が山とその土の香で春の訪れを教えてくれます。これからも暫く春の便りを知らせてくれるはずです。
ありのままを頂けることは、幸せで、意義深く。
日日のあつまりで出来た≪自然の恵み≫と父に感謝します。