緑す香、幸の色
2024/05/03
屋根の下で空想風景を眺めながら想い過ごす私でも【蕗の薹】【三つ葉】【蓬】【野蕗】【野芹】【こしあぶら】【かたは】【蕨】【薇】【筍】などの様々な山の恵みに出合うことが出来ました。
緑した色味は同じように見えますが、【花緑青】【常磐緑】【緑青色】【千歳緑】【深芽緑】【夜緑色】【冬瓜緑】【深緑宝石】など和色大辞典によると緑色とは何十色も彩を栄えているので、色合いが重なる事はなかなか無いのではないでしょうか。
色味は生ける力が増してくると濃く感じ得ます。淡い色はやわらかな食感を想像します。山の幸も鮮度が大切なので、早めに灰汁抜きをします。すると今度は緑した色味が香となり、春の山を思い起こさせてくれるのです。
家族はこの季節が来るのが待ち遠しく、野を想い、山に感謝し、手に入れた天色は宝です。山菜は下処理が大変ですが、暫しの季間、色味や風合いを五感で有難く味わいます。
ゆっくりと時節を迎え、流れるように次季へと巡り渡す。
風土の力、陽の光、恵む雨などが調和し成せるのは天の為果せる業にみえます。