干すほどに、甘く
2020/11/10
++++
3時15分、眠れない時は、祖母の枕元へ朝刊を。
そっと置いているつもりですが、気づかれます。「起こして、ごめんね」「持ってきてくれてありがと」いつもの会話です。
5時50分、空明り、雲が濃く一面にかかっています。
静かで何もない時間、じっと待ち、仄白くなるまで考えているようで考えていない時を過ごします。
7時の珈琲時間、≪薪ストーブ≫の暖かさが部屋中にじわりと広がっていきます。
そして今日の予定をお互いに確認します。
出来るときに、出来ることを。
今日の作業は私も少しだけ力になれそうです。
++++
冬の情景のひとつ、«干し柿»作りが始まりました。干すほどにやわらかく、甘みが増していく様は日日の愉しみのひとつとなります。
今年は通年の3分の1以下の実りでした。しかし、その分ひとつひとつの実の生りは大きいです。
以前は納屋の軒下に吊るしていましたが、この時期でも気温が高い日があると虫や鳥などに狙われてしまうので、最近では薪ストーブの≪焚きつけ≫とともに家の中で干し作業が始まります。
皮をむいた後は、カビ防止のため柿を焼酎に漬けて消毒します。干す期間は2週間程度、途中柿をもんで中の繊維をくずします。
«もむ»と甘さが増し、食べ応えのある«干し柿»になるといわれています。柿の糖分が表皮に現れ白い粉が噴くと甘味がとろけるように口に広がります。
≪薪ストーブ≫に温かい飲み物と、甘い«干し柿»があれば、寒い冬もほっこりと、温もりあるひと時が過ごせそうです。