2023/08/26
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起床は朝、4時30分。日中の陽当たり、空気の熱とは異なり5時には徐々に仄白く明るく見渡せるようになる時刻、窓を開け東側からの風合いを取り入れ少し呼吸を整えます。
明るくなれば競うように鳴かれた夏の音も少し落ち着き、秋の声が混ざり合います。彩の濃い時季のしっとりとした土の香、どの季節も朝のこの瞬間は好ましいです。
陽の高い季節、この年は酷暑が長く入道雲や夕立を眺める日はほとんどないまま、朝の空気も熱をもった日日が続きました。
6月の終わりに早生のトウモロコシをはじめ、トマト、きゅうり、なす、オクラ、ピーマンと夏の陽の下、野菜がとりどり採れました。トマトの瓶詰めは35本以上と赤い瓶それぞれの彩が母の宝物となります。
冬にはまた栄養の源となってくれることを願います。
真ん中の夏は過ぎ行き、暑さのやわらぎは感じ得ますがさわやかな風が通る日になるのはまだ先のような気がします。
日の記しも一区切り、日日の心気の変わりようは相も変わらず、停滞と波の繰り返しです。自身が振り回されるのは仕方のない事ですが、少しでも迷惑を掛けないようにと過ごしています。
今ある幸福をただ嬉しく感じ入るまま、出来る事を出来るだけ。
五感を刻める朝が来ることに感謝します。
2023/08/16
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【爾今への手紙 八栞】
良いことも悪いことも言にのせると、どちらも本当のことになる。昔からの言い伝えに≪言霊≫という神秘的な力があります。
いつも「自分が言われたら苦手だな、」と思うことはなるべく文にも言の葉にも発さないようにしています。言は強く出せば相手を傷つけることにもなります。
ですが、「自身の言葉が全て相手に伝わっているか」と問われれば、遠回しな言い方しかできない私にとっては、心にくる一言です。あいまいで回避的な言葉を選択しがちですので、言の葉は伝わらなければ、誤解をまねくだけではなく、人を傷つける可能性もあります。
発作的に悪いことを言に発して後悔する時もあります。それが現実になってしまうかのように。
日日、過ごす中で丁寧で慎重な言葉を使用する生活をおくれれば良いのですが、無限に近い可能性で至難です。
それでも「良い言の葉を発すれば、良いことが起こる」とまではいきませんが、心気の揺らぎを少なくするために、正の言葉、肯定的で心保つ言の葉を発するのは、自身にとって少なからず好ましい状況へ目を向けるきっかけになるのではないかと信じています。
言葉を相手に渡すことは、自身と向き合う時間です。
未来への標に自らを辿り、進み求める道や≪心身食住≫の保ちかたを勘案し、記します。
出来るときに、出来ることを出来るだけ。
2023/08/06
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歩廊を兼ねた3畳ほどの空間に一人ずつの机を。肩を並べ、会話時々喧嘩、そして冗談を言い合いながら作業をし、いつも共に過ごしています。
いつものように眠られない夜を過ごしていると、近くの部屋から、声が聞こえました。そのようなことが頻繁にあるわけではありませんが、事のわけが分かるので、焦らず、それでも急いで、部屋へ向かいます。
「お祖母ちゃん、瀞愁だよ」「大丈夫、大丈夫、みんないるよ」目が覚めるまで声をかけ続けます。夢でうなされる祖母に、たまに合います。
一度、すぐに傍に行けない状況があり、うなされ続け、その後軽く名前を呼び、起きたかと思い呼ぶのをやめて、止んだかと思った瞬間、叫んだことがありました。
その時、かなり体力を消耗させてしまったので、うなされたらすぐに≪完全に目が覚める≫まで早めに起こす事を心しました。
起こした後は、背中をさすりながら、「大丈夫、大丈夫」と繰り返し、お互い安心したところで調子を聞きました。
胸か胃のあたりが辛いみたいで、背中をさすると楽になるようでした。しばらく会話しながらさすり続けます。「ありがと、楽になった」との言葉で一旦止めます。
その後、お互い眠られないので、新聞が届くまで、≪クロスワード≫を解きます。
「3のヨコの問いは?」「んー、それは、」「8のタテはこうじゃない?」「お、そうやな、」一緒に一問一問解き、調子を窺いながら時間を過ごします。≪クロスワード≫も解けたので「また新聞持ってくるね」「頼むね、」と部屋を後にします。
突然、夢の中で彷徨っている祖母と出合う時がありますが、近くに居られて良かったと、起こした後はつくづく思います。
少しでも安心して過ごせるように。
2023/7/26
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先日、書類を提出するため、≪市役所≫へ赴かなければなりませんでした。
≪市役所≫までは有難いことに家族が送迎してくれます。今までは家族に頼りっぱなしで、施設内まで付き添ってくれましたが、今回は窓口には一人で行くことに。
赴く前からそわそわし始め、≪緊張緩和薬≫を服薬し、提出する書類と本人確認証を持ち、いざ。
≪市役所≫までの道のり車中では、ため息ばかりで、緊張がなかなか解けません。到着して、しばらくそのままで心気が落ち着くのを待ちます。「大丈夫、すぐ終わるよ、」とは母の言葉。
≪緊張緩和薬≫を握りしめ「よし」と気合を入れて≪市役所≫へ。
ここからは一人行動です。早く終わらせたいがため歩が速くなります。息が上がってきます。
以前にも記しましたが、施設の奥まった場所へ行こうとすると、≪吐き気≫や≪過呼吸≫などの症状が出始めるので、そこから先は家族にお願いして付き添ってもらっているのです。
なぜ≪施設≫の奥に進めないのか自分でもよく分かりません。
窓口は施設の奥の方です。浅い呼吸になり、≪過呼吸≫の症状が出始めましたが、≪緊張緩和薬≫をぎゅっと握りしめ、そこに意識がいかない様に「大丈夫、大丈夫」と心の中で念じます。
奥へ行けば行くほど意識が遠のく感じがしました。周りの人や風景などは目に入って来ません。ただ一心に目的地までと。
辿り着いても、窓口に書類を提出し少しの待ち時間があると「はやく、はやく終わって」と心の中がざわつき始めます。確認を得て、足早にその場を立ち去ります。
車の中に逃げ込み、「はぁー」と深い呼吸を、最後の方は息を止めていたかのようでした。何とか無事に終わって座席にへたり込みます。
母に「大丈夫だった?」と聞かれ、「うん」と力のない返答を、それでもひとつやり遂げたことに安堵し、帰路は心が少し軽くなりました。
施設の奥まった場所へ行くと≪過呼吸≫の症状が出るのは≪市役所≫だけではなく、≪図書館≫や≪書店≫など限りありません。≪緊張緩和薬≫があっても無理な場合も多々ありました。
「ある程度、一人で行動ができる」こと、その実現を切に望んでいます。
自らが行動し、この瞬間を忘れないために記します。
出来るときに、出来ることを出来るだけ。