万朶のせかい
2024/08/06
暑さ身に染みる陽は光を散らしています。日中は路も葉もちりちりとした陽の光に明け渡した様相で、なかなか屋根の下から出るに出られぬ状況化を作り上げています。
【となりの畑】を気にしながらも日中に赴く様子はありません。母は【となりの畑】での作業を少し休み家の中で出来ることを、と憩いの時間は畑の構想を練るのは常なのですが、もう少しゆったりと気が安らぐことは何かと模索していました。
以前、町内の寄り合いの話題で【塗り絵】や【押し花】をされている方が多く、母も何か屋根の下で出来ることは、と探していたのでひとつ試みようと考えます。そこで、祖母も長年嗜んでいる【塗り絵】を挑んでみることになりました。
色味はそれぞれの感覚なので異なります。祖母はお手本付きの【塗り絵】を選んでいます。母は自身の色合わせを重視する【塗り絵】を選択しました。好みが分かれましたが、互いの【塗り絵】や塗り方に興味が湧くようです。
そして「どうする、」「あった方が良いんじゃない、」と二人で話し合った結果、60色の【色鉛筆】を購入することに相成りました。初めはそんなに色を求めていた訳ではないのですが「色が付きやすいよ」「幅も広がるよ」と町内の寄り合いで先人の方が話されていたそうです。
確かに道具が揃うと物事に取り組む姿勢が違いますし、幅も広がり二人で使用すれば道具もひとつで済みます。と、理由を付けてはいますが単に欲しくなったのではないでしょうか。
花はもちろんのこと、風景、人物、幾何学模様、曼荼羅など【塗り絵】の世界も多種多様なように、60もの色はひとつ色をとっても何種類も分けられていて、万朶の色合いで世界が広がります。
その時の気で色合いが変わっても、万朶の色は受け止めてくれそうです。新しい世界に引き込まれ、暑さを忘れ心行くまで、満ち足りた憩いの時を過ごすことが出来ますように。