尊ぶ、祝い日
2024/06/23
歩廊を兼ねた3畳ほどの空間に一人ずつの机を。肩を並べ、会話時々喧嘩、そして冗談を言い合いながら作業をし、いつも共に過ごしています。
先日、祖母の祝いの記念日でした。
皆が集い、様々な志向で記念日の祝いに備えます。母は【特製握り寿司】や【レモンチーズケーキ】を作ってくれました。私は姉に言われるまま風船を膨らませ、【95】の数字を壁に並べて貼ります。余白だった壁に【おめでとう95】が照明の光を受け瞬きます。
祖母は冬は毛糸で靴下カバーを25足編み、春には刺し子の図案で布巾7枚ほど縫ってくれました。
刺し子の図案は構図を書き上げ伝統模様の【麻の葉】【重ね亀甲】【霰亀甲】【紗綾形】などを【さらし】に刺し縫い、仕上げていきます。
意欲的で向上心がある祖母は私の導きの人です。記憶する力が落ちようと、言動が曖昧になろうと、情ある言で励ましてくれ、諦めないことの意義を日日の行動で示してくれます。
ケーキに立て掛けた【9】と【5】の数字を吹き消したあと、皆からの「おめでとう」の声に祖母は嬉しそうにはにかみました。
おめでとうございます、そしてありがとう、おばあちゃん。